皆さん、こんばんは!一人でも多くの人に焼酎を飲むきっかけを与えたい焼酎プロモーターの亜樹穂です!本日は2021年3月20日に開催された「GI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム」の現地取材レポートをお届けします!
オンラインのイベントではあったのですが、ご縁があって現地の配信の様子を届けてほしいということで、現地取材をご依頼いただきました。

ちなみに、現地取材はRANBIKI初の試み!この記事ではイベントの流れからパネリストのインタビューまで盛りだくさん!
オンラインシンポジウムに参加した方もオンラインの本格焼酎・泡盛のイベントに興味のある方も楽しんでいただける内容になっています!

GI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウムは地理的表示を学べるイベント!

突然ですが、皆さんは「地理的表示」という言葉を聞いたことはありますか?
「地理的表示」とは、特定の産地で特定の製法で造られたお酒を保護するものです。
例えば、お祝いの時にいただく発泡性ワイン「シャンパーニュ」。発泡性ワインのうちシャンパーニュ地方で造ったものなど、いくつかの厳しい条件をクリアしたもののみ「シャンパーニュ」と名乗れます。

それ以外の地域で造ったものや条件に当てはまらない発泡性ワインは「シャンパーニュ」と名乗ることは出来ません。
ちなみにイベント名にある「GI(Geographical Indication)」地理的表示を略したものです。

このように生産地や製法を厳格に規制し、産品の名称(地理的表示)を知的財産として登録し、国が保護することで、お酒の品質やブランドを維持できます!
これは生産者にとっては産地の伝統的な製法を守ることに繋がりますし、国のお墨付きなら消費者も安心して購入することができます!
実はこのような「地理的表示」が本格焼酎と泡盛にもあります!
本イベントでは、本格焼酎と泡盛から「地理的表示」を知ることができます!

イベントの流れはこちら!

日程:2021年3月20日(土)14:00~16:30

【第一部】基調講演「GI制度と本格焼酎・泡盛の魅力」
     田崎真也氏 日本ソムリエ協会会長
     
     オンライン酒蔵見学
     壱岐・球磨・薩摩・琉球へのバーチャルツアー

【第二部】パネルディスカッション・オンライン試飲
     石橋 福太郎氏 壱岐の蔵酒造株式会社 代表取締役
     堤 純子氏 繊月酒造株式会社 代表取締役社長
     小牧 伊勢吉氏 小牧醸造株式会社 専務取締役・杜氏
     長嶺 哲成氏 琉球泡盛倶楽部 会長

【第三部】カクテルセミナー
     南雲 主于三氏 スピリッツ&シェアリング株式会社 代表取締役

今回の記事では、前編としてイベントの概要及び第二部までのレポートを、後編の記事では第三部とイベント終了後に行った登壇者へのインタビューを掲載します!

RANBIKI編集部は開会前から取材を開始いたしましたので、会場の様子からお伝えします!

配信会場はとっても華やか!

会場に入ると、登壇者の背後におかれたパネルの各地域ごとのイメージカラーが目に入りました!
Zoomから参加する視聴者から見てもどの地域の蔵元がお話されているのかわかりやすいようにお見受けしました!

会場内ではイベントスタッフの方が入念な準備をされていました。
イベントが始まる前のあの独特の緊張感のある空気に私まで思わずソワソワ。笑

8銘柄の本格焼酎とペアリングフードを堪能!

会場では抽選に当選した方のご自宅に届いた本格焼酎・泡盛100ml程度8本とペアリングフードが並んでいました!私も会場にてリアルタイムで本格焼酎・泡盛とペアリングを堪能しましたよ!
後ほどその模様もレポートします!

オンライン試飲で使用する銘柄はこちら!左から順にご紹介します。

オンライン試飲に使われた本格焼酎
  • 小牧醸造 伊勢吉どん
  • 壱岐の蔵酒造 壱岐っ娘
  • 沖縄県酒造共同組合 海乃邦 10年貯蔵古酒
  • 繊月酒造 繊月

カクテルセミナーで使用する銘柄はこちら!左から順にご紹介します。

カクテルセミナーで使う本格焼酎
  • 小正醸造 小鶴くろ
  • 壱岐の華 壱岐の華
  • 林酒造 極楽
  • 瑞泉酒造 尚-SHO-

ペアリングフードはこちら!

左から順にご紹介します!

  • 焼きいりこ煮(壱岐)
  • 燻製豆腐(球磨)
  • 焼キビナゴ丸干し(薩摩)
  • 珊瑚黒糖(琉球)
亜樹穂
亜樹穂

素敵なラインナップですね、本当に‥!自宅に届いたら「わーい!」と私も言っていたと思います。笑 ペアリングフードは郷土料理を意識したものとなっています!
本格焼酎・泡盛と組み合わせたらどんな味わいになるのか楽しみ!

【第一部】田崎真也さんのお話で地理的表示を歴史から学ぶ!

壱岐っ娘が注がれた乾杯のグラス
乾杯は壱岐の蔵酒造さんの『壱岐っ娘』で行われました!

田崎さんの基調講演では、地理的表示の歴史からGI本格焼酎・泡盛をどのように国内から海外へと普及させていていくかをお話されていました。
今回のGI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウムでは参加申し込みをするにあたり事前アンケートがありました。

事前アンケートでは、地理的表示に関するアンケートがいくつかあります。
その中で「あなたは地理的表示を知っていますか?」という質問では回答者全体の3割を超える方が知らないという結果に驚いたと同時にそれだけ「地理的表示」が日本国内でも浸透していないことを痛感したとおっしゃっていました。

地理的表示の始まりは、1756年のポルトガルのポートワインでの原産地呼称の法制度からなのだとか。
ポルトガルからヨーロッパへと原産地呼称の保護制度は広まっていったそうです。

その目的は生産者にとっては、製法及びブランドの保護。偽物が出ることによる値崩れ防止の目的もあったそう。消費者に対しては品質保証を伝えることも目的です。
その後、EU の GI 制度、GATT ウルグアイ・ラウンド、そして1994年に、TRIPS 協定に「地理的表示」が規定されるにいたり、国際的に地理的表示の制度が整備されていきました。日本ではこの流れを受け、1995年に国税庁が「地理的表示」の制度を制定したそうです。

現在、日本国内に地理的表示制度の対象とされているお酒は「壱岐焼酎」「球磨焼酎」「薩摩焼酎」「琉球泡盛」の他に清酒の「白山」ブドウ酒の「山梨」などがあげられます。
しかし、世界各国の地理的表示のお酒に比べるとまだまだ日本の地理的表示のお酒の認知度は伸びしろがあります。田崎さんは海外の蒸留酒と本格焼酎・泡盛の差別化ポイントにも触れていました。

海外の蒸留酒は40度の原酒を食後酒として「ストレート」で飲む文化があります。
ブドウの蒸留酒であるグラッパやリンゴの蒸留酒カルバドスが代表的です。
これは脂の多い食事をとったあとや合間など、疲れた胃に強いアルコールで刺激を与え消化促進させることが目的だったとか。

一方で、日本の本格焼酎・泡盛の特徴はそのような消化を促進させるための蒸留酒ではなく、「食事とともに楽しめる蒸留酒であること」「割って飲むこと」があげられます。さらに、本格焼酎は「食事とともにペアリングを楽しめる唯一無二の蒸留酒。
この本格焼酎・泡盛ならではの魅力を国内に、海外にもっと伝える必要があるとおっしゃっていました!

亜樹穂
亜樹穂

地理的表示がどのような経緯で、どのような目的で生まれたものか体系的に知れる機会になりました!特に驚いたのは40度の原酒を食後にストレートで飲む習慣!
私はお酒が好きなのですが、胃腸の消化能力はよわよわなので消化促進に効果があるのか試してみようと思います!笑

【第一部】オンライン蔵見学は4つの蔵元を一気に見れる贅沢な時間!

オンライン蔵見学は、事前に収録していただいた動画が放映されました!
本日、会場にお越しいただいているパネリストの方がご説明してくれています。
壱岐焼酎→球磨焼酎→薩摩焼酎→琉球泡盛の流れで行われました!

亜樹穂
亜樹穂

麦焼酎、米焼酎、芋焼酎、琉球泡盛の4種を一度に見学できるなんてなかなかないですよね!原材料が変われば製造工程も変わることが視聴者の皆さんにも伝わったのではないでしょうか?
欲を言えば「一次仕込み」「二次仕込み」といったは製造工程を知らないとわからなかったかもしれないので、全体の製造工程の説明があると焼酎ビギナーにはわかりやすかったかもしれません‥!

オンライン試飲はペアリングフードで大盛りあがり!

ペアリングフードたち
用紙していただいたペアリングフード

オンライン試飲では、パネリストからご自身の地域のGIの特徴について説明していただきました。
その後にパネリスト直伝のオススメの飲み方で本格焼酎・泡盛を飲み、ペアリングフードと合わせるという流れです!
本格焼酎・泡盛のGIの特徴は下記の通りです!結構細かいですよね!

壱岐焼酎

原料:穀類は大麦のみを用いたものであること
   麹は米から製造された米麹のみを用いたものであること
   もろみに用いる麹と穀類の重量比が概ね1:2となっていること
   長崎県壱岐市内で採水された水のみを用いたものであること

製法等:長崎県壱岐市内で原料の発酵、蒸留、貯蔵及び容器詰めが行われていること
    米麹及び水を加えて更に発行させた二次もろみを単式蒸留機をもって蒸留したもの

球磨焼酎

原料:米は国産米のみを使用していること
   麹は国内産米から製造された米麹を使用していること
   熊本県球磨郡または同県人吉市内で採水された水のみを使用していること

製法等:熊本県球磨郡または同県人吉市内で発酵、蒸留、貯蔵及び瓶詰めが行われていること
    米、米麹及び水または米麹及び水を原料として発酵させたもろみを単式蒸留機をもって蒸留したものであること。ただし、米麹及び水を原料としたもろみについては、その一次もろみに米麹及び水を加えて更に発酵させたものに限る

薩摩焼酎

原料:さつま芋は鹿児島県で収穫されたもののみを使用していること
   麹は米麹または鹿児島県で収穫されたさつま芋から製造されたさつま芋麹のみを使用していること
   鹿児島県内で採水した水のみを使用していること

製法等:鹿児島県内で発酵、蒸留、貯蔵及び容器詰めが行われていること
麹、さつま芋及び水を原料として発行させたもろみを単式蒸留機をもって蒸留させたものであること
   ※奄美市及び大島郡を除く

琉球

原料:麹はAspergillus luchuensisに属する黒麹菌の生育した米麹のみを用いたものであること
   沖縄県内で採水した水のみを使用していること

製法等:沖縄県内で発酵、蒸留、貯蔵及び容器詰めが行われていること
    米麹及び水を原料として発酵させたもろみを単式蒸留機をもって蒸留したものであること

参考)オンラインシンポジウム内で配布された資料より抜粋

これらの基準をクリアした焼酎・泡盛が地理的表示の焼酎と名乗ることができるのですね‥!こだわりがぎゅっと詰まっていることが伝わりましたでしょうか?

では、次のパートはGI焼酎とオンライン試飲及びペアリングレポートに移ります!

【壱岐焼酎】壱岐っ娘×焼きいりこ煮

ここで登場したのはちょっぴり甘い味付けの「焼きいりこ煮」
石橋さんのオススメの飲み方はソーダ割りということでしたので、つくってみました!
ポイントは『壱岐っ娘』を4 炭酸水を6の割合になるようにしてつくることだそうです。
グラスに氷を入れてから、『壱岐っ娘』→炭酸水の順番で注いでくださいね!

亜樹穂
亜樹穂

壱岐焼酎はこれまでも飲んだことはありましたが、ソーダ割りは初めてでした!
口当たりはサッパリ!後からじわじわと麦のビターな味わいと米麹のおりなす甘みが感じられました!
ちょっぴり甘い味付けの「焼きいりこ煮」との相性はバッチリ!

【薩摩焼酎】伊勢吉どん×焼キビナゴ丸干し

※『伊勢吉どん』と焼キビナゴ丸干しの組み合わせの写真撮影を失念しました‥!申し訳ありません!

ペアリングフードは少し渋めな「焼キビナゴ丸干し」
小牧さんのオススメの飲み方はソーダ割り!
グラスに氷を入れていただき、『伊勢吉どん』を4、炭酸水が6の割合になるように注ぎます!
「焼キビナゴ丸干し」は頭が苦く、しっぽが甘いので頭を食べる時はお湯割りの方がより美味しいかもというお話が田崎さんからはありました!

亜樹穂
亜樹穂

『伊勢吉どん』ソーダ割りも初めていただきました!さつま芋の優しい甘さが喉元で広がりますね!「焼キビナゴ丸干し」はなかなか大人のおつまみのように感じました!笑
ソーダ割りも美味しいですが、お湯割りの方が少しお魚も柔らかくなるかもしれないと思いました!

【球磨焼酎】繊月×燻製豆腐

燻製豆腐なるものは初めて見ました‥!熊本県ではよく食べられているのでしょうか?
『繊月』のオススメの飲み方はお湯割り!お湯が注がれたグラスを出していただいたので、『繊月』を注ぎます。お湯が4、『繊月』が6の割合になることを意識すると美味しいお湯割りになるのだとか!

また、熊本県で使われている酒器「ガラとチョク」も紹介していただきました!
熊本県では、この酒器に球磨焼酎を入れて直でお燗して飲む方も多いそうです!

亜樹穂
亜樹穂

テキストでしか見れていなかった「ガラとチョク」の本物に感動!
直でお燗した球磨焼酎は米の甘さがよりふっくらしそうだな‥と妄想していました。笑
燻製豆腐は初めていただきましたが、豆腐の甘さとスモーキーさがやみつきに!
燻製豆腐の香りの方が球磨焼酎よりちょっぴり強いものの、相性いいですね!

【琉球】海乃邦10年貯蔵酒×珊瑚黒糖

最後の登場は泡盛!10年貯蔵酒という響きで圧倒されますね‥!
アルコール度数は43度ということですが、オススメの飲み方はストレート!
長嶺さんが提供してくださった酒器がとてもかわいらしい!

亜樹穂
亜樹穂

なめるように一口‥舌でなめ転がすとだんだん甘さが感じられます。
そして黒糖をかじる。黒糖の甘さが口の中に広がると調和するような感覚に!
焼酎ビギナーはちょっと水を入れると飲み口が軽くなるのでオススメです!

おわりに

長くなりましたが、ここまででGI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウムfrom九州・沖縄のイベントレポート前編が終わります!
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

後編では、パネルディスカッションの熱い議論のハイライト、カクテルセミナー、登壇者へのインタビューをお届けします!
まだお付き合いいただける方はぜひこちらからご覧くださいませ!

投稿者プロフィール

亜樹穂
亜樹穂
焼酎プロモーションメディア「RANBIKI」編集長/焼酎プロモーター
1994年生まれ。東京都出身。
好きなものはあん肝と白子。趣味は美味しい飲食店めぐりと酒屋さんめぐり

学生時代に本格焼酎と出会い、「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」「焼酎=パワフルのイメージを払拭したい」想いが強くなる。
その後独学で焼酎の勉強を始める。2021年3月に焼酎唎酒師を取得。