皆さんこんばんは!一人でも多くの人に焼酎を飲むきっかけを与えたい。焼酎プロモーターの亜樹穂です!
今回は泡盛業界で話題になっている『尚-SHO-』についてお話できればと思います。
『尚-SHO-』はどんなお酒なのか。どのような味わいなのか。開発の経緯から試飲レポートまでお届けします!
今回の記事は、『尚-SHO-』について知りたい方やどんな味わいか気になっている方にも楽しんでいただける内容になっています。
泡盛のイメージを覆す『尚-SHO-』
『尚-SHO-』は泡盛蔵12蔵(石川酒造場、神村酒造、金武酒造、崎山酒造廠、瑞泉酒造、請福酒造、まさひろ酒造、瑞穂酒造、ヘリオス酒造、八重泉酒造、やんばる酒造、米島酒造)が共同開発した琉球泡盛です。
これまでの泡盛の味わいの特徴だった「オイリー」「苦味」を抑え、「エステル香(フルーティーな香り)」「クリーンさ」を強くしています。
進化した新世代の泡盛『尚-SHO-』は2019年の秋に誕生しました!
泡盛蔵12蔵が共同開発して生まれた商品と聞くだけで熱いものを感じますよね!
『尚-SHO-』の由来は、かつて王国だった沖縄の誇り高き王の名から来ています。
伝統を重んじながら新しいものを取り入れたい想いが伝わってきますね!
次からどのような流れで開発に至ったのか経緯をご紹介します!
フレーバーホイールをベースにした商品づくり
フレーバーホイールとは、味わいと香りを言語化した図のこと。
沖縄国税事務所と研究者が協力して作り上げたそうです。泡盛は見た目が透明で”映えない”飲み物。見た目だけで泡盛が持つ複雑な味わいを伝えるのはとても難しい。そのため、わかりやすい言葉で味を表現しようと考えたそうです。
泡盛の香りと味をイメージしたフレーバーホイール。誰に伝えるのか。そう、泡盛の造り手です。自分が感じた香りと味わいをフレーバーホイールと一致させる。これを100時間かけて行ったそうです。
ここまで時間をかけてフレーバーホイールを学んだ理由は泡盛の味わいを同じ言葉で表現できるようにするため。試飲した時のコメントでよく聞く「フルーティーな香り」や「バニラのような香り」も振れ幅があると思いませんか?この振れ幅もフレーバーホイールがあれば最小限に抑えられそうですよね。
次に、造り手の皆さんは泡盛の味わいを言語化することで、泡盛の特徴と海外のホワイトスピリッツ(ジンやウォッカなど)との違いの研究もしたそうです。その際、ホワイトスピリッツはスッキリした味わいと余韻の短さが特徴だと気付いたのだとか。
対して、泡盛は口当たりがオイリーで余韻も長い。泡盛は見た目はホワイトスピリッツ寄りにかかわらず、味わいの方向性が大きく違うことに驚きました。
もしかしたら、これまでの泡盛の味わいとは全く異なる味わいの泡盛を生み出せば海外の方にも泡盛を飲んでもらえるのではないか‥?
そんな想いから新しい泡盛の開発が始まりました。
フレーバーホイールを初めて見た時は味わいと香りの種類の多さに驚きました!
つくるのもすごいですし、造り手の皆さんも100時間かけて理解する姿勢が素敵だなと思います。
メーカー同士の垣根を超えて、現状の泡盛に対する議論をしている所を想像すると熱いですよね!
伝統の1回蒸留から3回蒸留に挑戦!
泡盛の製造工程はこちらの記事でも紹介しましたが、蒸留回数は基本的に1回のみとなっています。なんと『尚-SHO-』は3回も蒸留しています!なぜ蒸留を3回も試みたのか。それは、松露酒造さんと中村酒造場さんによる番組「Shochu’s day」でお話していました。
今回の商品開発では、昔ながらの泡盛の味わいを一新することが肝とされていました。
「焦げ」「きのこ臭」「オイリー」「硫黄」「甕」「苦味」を徹底して抑える。その中でも、「焦げ」「きのこ臭」が1回の蒸留では取り除けなかったそうです。前工程の見直しにも取り組んだものの、なかなか思うようにいかなかったのだとか。
この難題に答えを見出した方が瑞泉酒造の伊藝さん。海外のホワイトスピリッツは複数回蒸留をすることで、味わいがクリアになっていく。ならば、泡盛も複数回蒸留したら味わいが変わっていくのではないかと。何度も味わいを調整し、伊藝さんの納得した味わいが3回蒸留した泡盛だったそうです。
さらに、たまたま現場にいらっしゃった洋酒専門家の方に3回蒸留した泡盛を飲んでもらえたそうです。その方からお墨付きをもらえたことで「3回蒸留」に確信を持てたみたい。
これまでのやり方と異なる方法に挑戦するのは、なかなか勇気がいることだなと思います。そこを思い切って挑戦できるのはすごいですよね!さらに、その日に洋酒専門家に試飲していただけるなんて運もお強いのでは‥?とお話を聞いて思いました!
ここまで、『尚-SHO-』 の商品開発の背景についてお届けしました!
参考文献を以下にまとめます。もっと知りたい方はこちらも合わせてご覧いただけますと幸いです!
では、ここから『尚-SHO-』の試飲レポートをお届けします!私が今回いただいたのは、瑞泉酒造さんとまさひろ酒造さんです!
【まさひろ酒造】『尚-SHO-』
- ジャンル 琉球泡盛
- アルコール度数 40度
- 原材料 米麹(タイ産米)
- 麹 黒麹
- 飲み方 ソーダ割り、トニックウォーター割り
ラベルがオシャレですね‥!初めて見た方は泡盛と思わないかもしれません。
『尚-SHO-』のラベルはエリアごとに色分けされているそうですよ!
【ソーダ割り】クッキーのような甘い香りと優しい甘みを楽しめる!
ソーダで割ると甘い香りが穏やかになりますね!そして炭酸で割っているのに負けない泡盛のしっかりとした味わい。昔ながらの泡盛にある「硫黄」とかのニュアンスは確かに感じないですね!
ソーダ割りのつくり方
- 『尚-SHO- MASAHIRO』
- 炭酸水(無糖)
- ロックアイス
- マドラー
背の高いグラスにロックアイスを並々と入れます。
ソーダ割りは冷えていた方がより美味しいので、マドラーでぐるぐる混ぜてグラスを冷やしましょう。
次に、『尚-SHO- MASAHIRO』を3分目位まで注ぎます。
『尚-SHO- MASAHIRO』と炭酸水が3:7になるのをイメージしながらつくってみましょう!
それから、炭酸が抜けないようにグラスの縁から氷に当てないようゆっくりと炭酸水を注ぎます。
くるっとマドラーで一回ししたら完成!
『尚-SHO- MASAHIRO』はクッキーのような甘い香りとクリーミーな味わいを楽しめるシンプル×パワフルな味わい
クッキーのような甘い香りにうっとり‥!その後に甘みがふわっとやってくるから不思議。。この香りと甘みはショートケーキのようなスイーツとの相性もいいんですよ!
【瑞泉酒造】『尚-SHO-』
- ジャンル 琉球泡盛
- アルコール度数 40度
- 原材料 米麹(タイ産米)
- 麹 黒麹
- 飲み方 ソーダ割り、トニックウォーター割り
蔵元さんの名前の下にうっすらと沖縄の地図のイラストが描かれているのもオシャレですよね!どなたがデザインしたのかとても気になります!
【ソーダ割り】キリッとした口当たりと旨味を楽しめる!
キリッとした口当たりとキレの良さが印象的でしたね!
甘みや余韻はうっすらと感じるくらい?今までの泡盛とは違うものだなと感じます!
ソーダ割りのつくり方
- 『尚-SHO- ZUISEN』
- 炭酸水(無糖)
- ロックアイス
- マドラー
背の高いグラスにロックアイスを並々と入れます。
ソーダ割りは冷えていた方がより美味しいので、マドラーでぐるぐる混ぜてグラスを冷やしましょう。
次に、『尚-SHO- ZUISEN』を3分目位まで注ぎます。
『尚-SHO- ZUISEN』と炭酸水が3:7になるのをイメージしながらつくってみましょう!
それから、炭酸が抜けないようにグラスの縁から氷に当てないようゆっくりと炭酸水を注ぎます。
くるっとマドラーで一回ししたら完成!
『尚-SHO- ZUISEN』はキリッとした口当たりとスッキリした米の旨味を楽しめるサッパリ×シンプルな味わい
スッキリした口当たりとキレが特徴的なので、泡盛ビギナーも挑戦しやすい味わいだと思います!ここから飲んでみて、もう少し甘みが欲しいかな?とか自分の好みを見つける1杯目にオススメです。
蔵元ごとの個性を楽しめる泡盛『尚-SHO-』
メーカーの垣根を超えて、商品開発をする。同じ製法でも蔵ごとの個性が楽しめる泡盛。それが『尚-SHO-』
開発背景をお聞きして、泡盛業界の共通課題を造り手が手を取り合って解決しようとする姿勢に心を打たれました。
個人的には、東京の飲食店や酒屋さんでもっと気軽に飲めるようになったらいいなと思います。
角打ちカウンターに置いてあると、ラベルを見て頼む方もいらっしゃるのではないでしょうか。一人でも多くの方に泡盛を飲んでいただくきっかけに『尚-SHO-』がなりますように!
おわりに
今回は、新世代泡盛『尚-SHO-』の解説と試飲レポートをお届けしました!
いかがでしたか?少しでも興味を持っていただけると嬉しいです!
また、『尚-SHO-』に関する新しいトピックが増えましたら、こちらの記事を更新します!
投稿者プロフィール
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焼酎プロモーションメディア「RANBIKI」編集長/焼酎プロモーター
好きなものはあん肝と白子。趣味は美味しい飲食店めぐりと酒屋さんめぐり
学生時代に本格焼酎と出会い、「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」「焼酎=パワフルのイメージを払拭したい」想いが強くなる。
その後独学で焼酎の勉強を始める。2021年3月に焼酎唎酒師を取得。
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