皆さん、こんばんは!一人でも多くの人に焼酎を飲むきっかけを与えたい。
焼酎プロモーターの亜樹穂です!
今回は、2月26日に開催された「伝統的酒造りシンポジウム」の現地取材のレポートをお届けします!
会場の様子やシンポジウムでお話していた内容など盛りだくさんです!
今回の記事は「麹を使った酒造り」に興味がある方、お酒の講座に興味がある方にも楽しんでいただける内容になっています。

「伝統的酒造り」は2021年12月2日に登録無形文化財に登録されました!

皆さんは「伝統的酒造り」という言葉を聞いたことはありますか?
恥ずかしながら、私は今回のイベントをきっかけに知りました!「伝統的酒造り」とは、日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造りの技術のこと。
日本酒、本格焼酎、琉球泡盛等が該当しますね。

この技術が2021年12月2日に登録無形文化財に登録されたことを記念し、今回のシンポジウム開催に至っています。
さらに、次のステップとしてユネスコ無形文化遺産の登録を目指しているそうです!

2022年2月26日に「伝統的酒造りシンポジウム」が開催されました!

伝統的酒造りシンポジウム_2

当日の開催概要は下記の通りです!

日程:2022年2月26日(土)14:00~16:10
会場:国立科学博物館

基調講演
講演テーマ:「日本人が育てたカビ」
細矢剛 氏(独立行政法人国立科学博物館植物研究部長)

パネルディスカッション
ディスカッションテーマ:「こうじ菌文化の素晴らしさ」
司会   :宇都宮仁 氏(日本酒造組合中央会理事)
パネリスト:石川達也 氏(日本酒造杜氏組合連合会副会長)
      小泉武夫 氏(東京農業大学名誉教授)
      後藤奈美 氏(独立行政法人酒類総合研究所前理事長)
      多田 格 氏(九州本格焼酎協議会会長)
      村川絵梨 氏(女優・利酒師)

基調講演『日本人が育てたカビ』は麹菌の魅力を学べる!

伝統的酒造りシンポジウム_3

細矢剛 氏による基調講演では、「菌」「黴(カビ)」の漢字の由来から始まり
そもそも麹とは何か?といった説明をとても分かりやすく解説してくれました!
主に取り上げられたのは、日本酒や味噌、醤油などをつくる手助けをしているコウジカビ(アスペルギルス・オリゼー)でした!

個人的に興味深く感じたのは、アスペルギルス・オリゼーと構造がとても似ているアスペルギルス・フラバスとの違いについてです!
あまりにも似ているため、アスペルギルス・オリゼーを用いた発酵食品は本当に安全なのか学者の間で問題になったこともあるのだとか。

細矢氏によると日本人がアスペルギルス・オリゼーを飼いならしたことで、人体にとって害のある物質がなくなったのではないかと考えているそうです!

亜樹穂
亜樹穂

本当に説明が分かりやすく、あっという間の30分でした!コウジカビの安全性を疑われた時代もあったことに驚きです‥! 日本人とコウジカビの付き合いは奈良時代から続いているため、その長い月日の中で毒性のない菌に変わったのだと思うと感慨深いものがありますね。

パネルディスカッション「こうじ菌文化の素晴らしさ」は各分野から見た麹菌の活躍を学べる!

伝統的酒造りシンポジウム_1

パネルディスカッションでは、日本酒の造り手の方や本格焼酎の造り手の方、酒類の研究をされている方が登壇していました!
横断的にお話を聞ける機会はなかなか珍しいのではないでしょうか?
こうじ菌はどの業界でもずっと注目されていることを実感しました。

個人的に興味深く感じたのは、多田氏が考える麹のできの見分け方です。
うまくできた麹は甘くレモンの味がするそうですが、ちょっと惜しい麹は苦いそうです!
レモンの香りがする理由は、クエン酸が生まれているためだとか。
このクエン酸のおかげで、南国でも麹やもろみが腐敗せず発酵を続けることに成功しています!

亜樹穂
亜樹穂

麹のお話を各分野から聞くことで、酒造り全体の知識を知れる場になったように思います。
米麹を自分でつくる実験キットみたいなものが簡単に手に入ると、より一層こうじ菌の存在を理解できるように思いました!

まとめ

今回は伝統的酒造りシンポジウムの参加レポートをお届けしました!
いかがでしたか?今回のイベントは国税庁さんのYou Tubeでもご覧いただけます!
また、伝統的酒造りシンポジウムは、2022年3月26日(土)に京都、2022年6月11日(土)に福岡でも開催されます!
会場参加とオンライン参加とお選びいただけるのでご興味のある方はぜひ!

投稿者プロフィール

亜樹穂
亜樹穂
焼酎プロモーションメディア「RANBIKI」編集長/焼酎プロモーター
好きなものはあん肝と白子。趣味は美味しい飲食店めぐりと酒屋さんめぐり

学生時代に本格焼酎と出会い、「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」「焼酎=パワフルのイメージを払拭したい」想いが強くなる。
その後独学で焼酎の勉強を始める。2021年3月に焼酎唎酒師を取得。