皆さん、こんばんは!一人でも多くの人に焼酎を飲むきっかけを与えたい。
焼酎プロモーターの亜樹穂です!
本日は、焼酎の造り方についてお届けします。

あなたの手元にある焼酎がどんな工程を経て造られたのか知りたいなと思ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
造り方を知れば、焼酎がより美味しく感じると思います。

今回の記事は、焼酎の造り方を知りたい人、蔵見学に行く前に少し復習したいなという方も楽しんでいただける内容になっています。

まずは、そもそも本格焼酎はどんなお酒かをお話します。

焼酎はでんぷん×麹×酵母でできたお酒

今回の記事を書くにあたって、「そもそも焼酎の定義ってなんだろう?」という疑問が生まれたので調べてみました!
すると、でんぷんまたは糖を含む原材料に麹と酵母を加えて発酵させたもの
焼酎と呼ぶそうです。

ですが、焼酎の中でもよりアルコールの味わいが強い割り物によく使われる焼酎(甲類焼酎と呼ばれています)と、焼酎単体で香りがしっかりとしているため、ロック・水割りなどで楽しむことが多い焼酎(乙類焼酎と呼ばれています)の違いはなんでできるのでしょうか?
それは実は蒸留方法の違いにあります。

蒸留方法は、「単式蒸留焼酎」と「連続式蒸留焼酎」に分けることができます。少し細かい話になりますが、単式蒸留焼酎から本格焼酎と泡盛に分けることができます。

焼酎の分類

では、単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎の違いは何だろう?と思う方もいらっしゃると思うので、簡単にお話します。
少し細かいお話が続きますが、お付き合いしてもらえると嬉しいです!

単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎の定義

単式蒸留焼酎:でんぷんまたは糖を含む原材料に麹と酵母を加えて発酵させたものを単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール度数が45度以下のもの。

連続式蒸留焼酎:でんぷんまたは糖を含む原材料に麹と酵母を加えて発酵させたものを連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール度数が36度未満のもの。

単式蒸留と連続式蒸留の違いは蒸留する回数!

連続式蒸留の仕組みは、簡単に例えるなら、連続式蒸留機には、その中に単式蒸留器がいくつも入っているといったところ。
連続式蒸留機の内部で単式蒸留の仕組みが繰り返されているのです。

単式蒸留と連続式蒸留の違いとは?初心者向けに簡単解説!

単式蒸留では、蒸留回数が1回のみです。対して、連続式蒸留は機械の中に単式蒸留機がいくつも入っているため何度も蒸留することができます。
蒸留している回数が違うと味にも変化が生まれます。
それぞれどんな味になるのでしょうか。

単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎の味わいの違いは原料の風味の有無!

単式蒸留焼酎は、原料の香味成分が溶け込みやすいため、原料特有の香りと風味があります。一方、連続式蒸留焼酎は無色透明で、香りはほぼなし。クセのない味わいです。

本格焼酎の定義は細かい‥!

さらに、単式蒸留焼酎は「本格焼酎」と「泡盛」に分けることができます。今回は「本格焼酎」の定義についてお話します。

本格焼酎:下記1~4と5の一部(国税庁長官が指定する物品を原料としたもの)で水以外の物品を加えていないもの
1 穀類またはいも類とこれらの麹を使用した焼酎(米焼酎、麦焼酎、甘藷焼酎など)
2 穀類の麹のみによる焼酎(泡盛など)
3 清酒粕を使用した焼酎(粕取り焼酎)
4 黒糖と米麹を使用した焼酎(黒糖焼酎)
5 その他の原料の焼酎(1~4の他に、ごま焼酎、かぼちゃ焼酎など)

亜樹穂
亜樹穂

単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎の違いも奥深いですね‥!
麹と酵母と水を使うスタート地点は同じなのに、蒸留方法が変わることで香りと味わいに変化が生じるんですね!

RANBIKIで応援しているサッパリした口当たりとフルーティーな香りが楽しめる焼酎は、単式蒸留機だから生み出せる味ということか‥!

では、早速焼酎造りについて‥といきたいところですが、そもそも「発酵」ってなんだろう?と思う方もいらっしゃると思うので簡単にお話できればと思います!

発酵は微生物からのプレゼント!

「発酵」と聞くと、味噌・醤油などを思い浮かべませんか?
実は焼酎造りにも「発酵」は大きく関わっています!

発酵とは、目に見えない微生物の働きによって食物が分解され、人間にとってプラスになる成分に変化すること。

発酵の基本 千年こうじや

焼酎造りでは、麹菌と酵母菌が同時に発酵を行うことでお酒のもとができます。
麹菌は糖化発酵というお仕事、酵母はアルコール発酵というお仕事を担当しています。
それぞれ詳しく見ていきましょう!

糖化とは、麹菌がでんぷんを糖に変えること!

下の画像をご覧になっていただくと、麹菌がでんぷんを糖に変える仕事をしていることがわかります。ちなみに、頭にお団子みたいなものがついている菌が麹菌です。

糖化
『もやしもん 1巻』P171

アルコールは酵母が糖を食べたら生まれるもの!

麹菌がつくった糖をお目当てに、酵母菌はやってきます。
酵母が糖をアルコールに変えるのは、このイメージだと想像しやすいかもしれません。

アルコール発酵
『もやしもん 1巻』P171
亜樹穂
亜樹穂

麹菌と酵母菌がそれぞれ仕事をこなしてくれるおかげで、お酒のもとは生まれるんですね!
これは焼酎に限らず、どのお酒造りにも共通することなので、頭の片隅に入れておくと他のお酒造りも理解しやすくなるかもしれません‥!

焼酎造りの7STEP

次に、焼酎づくりの流れをご紹介します。
今回、焼酎の製造工程に出てくる写真は、宮崎県日向市に位置するあくがれ蒸留所さんに全面協力していただきました!ありがとうございます!

多くの酒造メーカーは、この7つの工程で焼酎を造っています。1つの焼酎が瓶詰めされるまでにかかる期間は短くても半年。貯蔵期間が長いものは3年以上かかると言われています。

焼酎製造工程

麹づくり(製麹:せいきく)

蒸したお米などに麹菌を振りかけて、麹菌を繁殖させたものを「麹」と呼びます。この「麹」を造る工程を麹づくり、製麹と呼びます。

製麹は、「回転ドラム式麹装置」と「三角棚」の2つの設備で作業しています。
「麹」の出来具合によって、焼酎の品質は左右されるためとても重要な工程だそうです。

今回、あくがれ蒸留所さんでは一升瓶(1.8リットル)を1,000本、1,800リットルの焼酎を造っています。麹づくりの段階で使うお米の量は、なんと400kg‥!

400kgのお米は、この大きなドラムで蒸していきます。

払い出し
回転ドラム式麹装置でお米を蒸している様子
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。

蒸し上がったお米に「種麹(麹菌)」をかけていきます。
基本的に機械に任せてはいるものの、万が一の時を考えて杜氏さんは蔵に泊まり込み、お米の様子を逐一確認しているそうです‥!

種麹
お米に混ぜる種麹
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。

次に、種麹が混ざったホカホカのお米を三角棚(さんかくだな)に移動します。
三角形の形をした棚があるこの部屋は麹室(こうじむろ)と呼びます。

麹室では、麹菌を繁殖する作業を行います。
なんと、手作業でこの量のお米と麹を混ぜていくそうです。
体力勝負ですね、、

三角棚
三角棚に敷き詰められた種麹が入ったお米
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。
亜樹穂
亜樹穂

焼酎の味の要となる麹。麹ができるまでの道程は本当に長いですね‥!
一升瓶を1,000本造るのに400kgものお米が必要ということも驚きです。温度管理に麹の小さな変化も見逃さないような細やかな気遣いが必要なんですね。。

一次仕込み

一次仕込みとは、製麹された麹を酵母と水と混ぜながら、麹を発酵させていく工程です。ここでできた液体を「一次もろみ」といいます。
温度管理を徹底しながら、約8日間朝昼晩に櫂入れを行います。
櫂入れとは、櫂棒という棒で、「お酒のもと」を混ぜる作業のことを示しています。

一次仕込みは、甕で行う蔵もあればタンクで行う蔵もあります。
あくがれ蒸留所さんの場合は、甕で仕込むそうです。

最初に綺麗に洗った甕に水をいれ、次に酵母を入れます。

水に酵母を入れる様子
甕に酵母入れる様子
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。

三角棚でつくった麹を甕に入れます。

甕に麹を入れる様子
水と酵母が入った甕に麹を入れる様子
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。

こうして、麹と水と酵母が混ざることで「発酵」が始まります!
「発酵」が始まると、ポコポコ軽やかな音がするのだとか‥
下のボタンに軽やかな音が聞けるリンクを貼りましたので、ぜひ!

一次仕込み2日目の発酵
甕壺仕込み2日目の様子
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。
亜樹穂
亜樹穂

一次仕込みで、いよいよ発酵が始まるんですね‥!
あくがれ蒸留所さんのFacebookで、麹の声を聞いた時は感動したのを覚えています。
微生物達が頑張ってお仕事をしている声は、とても可愛いですよ!蔵見学に行って、直接音を聞ける日が待ち遠しい‥!

二次仕込み

一次仕込みでできた「一次もろみ」にさつま芋・米・麦・黒糖といった焼酎のメインとなる原料を加えて発酵させる過程を二次仕込みといいます。

二次仕込みは、約10日から15日間朝昼晩に櫂入れを行いながら、ゆっくりと発酵させていくそうです。
今回は米焼酎の製造工程のため、「一次もろみ」に米を混ぜています。
麹をつくった400kgのお米に対し、倍の800kgが必要になるそうです‥!

ステンレスタンクで二次仕込み
ステンレスタンクで、二次仕込みをしている様子
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。

蒸留

二次仕込みで生まれた「二次もろみ」を蒸留して、焼酎の原酒をつくる工程が蒸留です。蒸留は、理科の実験でもありましたが、液体を加熱→蒸気が生まれる→蒸気を冷やす→液体になる という流れのことですね!

蒸留を開始して40~50分ほど経過しますと、「初留(しょりゅう)」が生まれます。別名、初垂れ(はつだれ・はなたれ)とも呼ばれています。
焼酎の原酒中の原酒のようなものなので、「初留」だけを集めて造った焼酎を製品化している蔵もいらっしゃるのだとか‥!

蒸留機
単式蒸留機で蒸留している様子
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。

貯蔵・熟成

こうして生まれた焼酎の原酒は、蒸留する過程でガス成分が含まれています。ガス成分が入っていると、独特の香りと尖った味わいが残るそうです。
そのため、味がまろやかになるように、焼酎の原酒は最低でも3ヶ月は熟成させます。
その間も油分はプカプカ表面に浮いてくるため、定期的に表面の油を掬う必要があります。

できたての焼酎がタンクにある様子
出来上がったばかりの焼酎
写真はあくがれ蒸留所さんのブログよりお借りしました。

ブレンド・加水

焼酎の味わいを一定にするために、各原酒を混ぜます。これが、「ブレンド」といわれる工程です。また、原酒だとアルコール度数が39度や40度と高くなっているので、水を加えてアルコール度数を25度まで下げます。これが「加水」です。
焼酎は、25度や20度までアルコール度数を下げることが多いです。

瓶詰め

アルコール度数が25度または20度位まで下がった焼酎は瓶詰めされます。
瓶詰めされた焼酎は各酒販店、スーパーに陳列されます。

亜樹穂
亜樹穂

私達の元に届く焼酎はこんな長い期間を経て、造り手の皆様が想いを込めて造っていらっしゃるのですね‥!
仕込み期間が始まると、寝る間もないとお聞きしますが本当に大変なお仕事だと思います。
感謝の気持ちを持って、私達も焼酎を楽しみたいですね。

では、最後になりましたが、あくがれ蒸留所さんの造る素敵な焼酎を一挙ご紹介したいと思います!

日向あくがれ白麹仕込み

あくがれ白麹
  • アルコール度数 25度
  • ジャンル 本格芋焼酎
  • 原材料 さつま芋(黄金千貫)、米麹(国産米)
  • 飲み方 ストレート、ロック

写真はあくがれ蒸留所さんのオンラインストアよりお借りしました。

日向あくがれ黒麹仕込み

日向あくがれ黒麹仕込み
  • アルコール度数 25度
  • ジャンル 本格芋焼酎
  • 原材料 さつま芋(黄金千貫)、米麹(国産米)
  • 飲み方 ストレート、お湯割り

写真はあくがれ蒸留所さんのオンラインストアよりお借りしました。

東郷 大地の夢

東郷 大地の夢
  • アルコール度数 28度
  • ジャンル 本格芋焼酎
  • 原材料 甘藷(ダイチノユメ-農林59号宮崎県日向市東郷町産)、米麹(国産米-宮崎県日向市東郷町産)
  • 飲み方 ストレート、水割り

写真はあくがれ蒸留所さんのオンラインストアよりお借りしました。

あくがれブルー

あくがれブルー
  • アルコール度数 20度
  • ジャンル 五穀焼酎
  • 原材料 麦麹・麦・粟(あわ)・稗・黍・大豆・米(国産米)
  • 飲み方 ロック、水割り

写真はあくがれ蒸留所さんのオンラインストアよりお借りしました。

日向あくがれHONU14°

日向あくがれHONU
  • アルコール度数 14度
  • ジャンル 本格芋焼酎
  • 原材料 さつま芋(黄金千貫)、米麹
  • 飲み方 ストレート、ロック

写真はあくがれ蒸留所さんのオンラインストアよりお借りしました。

おわりに

今回は「焼酎の造り方」をお届けしました!
いかがでしたか?なかなか耳に馴染みのない言葉も多いと思いますが、「焼酎ってこういう風に造られているのか!」という新しい発見に繋がれば、とっても嬉しいです。

亜樹穂
亜樹穂

実際に蔵見学に行けていない私が「焼酎の造り方」の記事を書いてもいいものか‥と実は悩みました。

でも、普段自分が飲んでいる焼酎はどんな過程を経て造られているのか私も知ることで、勉強になると思い書かせていただきました!
最後に、写真にご協力していただきましたあくがれ蒸留所さん、ありがとうございます!

投稿者プロフィール

亜樹穂
亜樹穂
焼酎プロモーションメディア「RANBIKI」編集長/焼酎プロモーター
1994年生まれ。東京都出身。
好きなものはあん肝と白子。趣味は美味しい飲食店めぐり
味や香りを表現する方法として、音楽や映画を用いることに挑戦中。

学生時代に本格焼酎と出会い、「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」「焼酎=パワフルのイメージを払拭したい」想いが強くなる。
その後独学で焼酎の勉強を始める。現在は焼酎唎酒師を取得しようと奮闘中。