皆さん、こんばんは!一人でも多くの人に焼酎を飲むきっかけを与えたい。
焼酎プロモーターの亜樹穂です!
本日は焼酎造りに欠かせない麹についてのお話をお届けします。
本格焼酎のボトルの裏面には、「米麹」「麦麹」といった言葉が記載されています。
この麹、実は「黒麹」「白麹」「黄麹」の3種類に分類されています。
今回の記事は、麹が変わるどのように焼酎の味わいが変化するのか知りたい方や麹ごとに飲み比べをするならどの銘柄がいいか知りたい方にも楽しんでいただける内容になっています!
麹菌からつくられたものが麹
ちょっと汚い‥と思われる方もいらっしゃると思いますので、ハッキリお伝えしましょう。
麹菌は「ニホンコウジカビ」と呼ばれるカビの一種です。
「ニホンコウジカビ」はなんと、日本をはじめ東アジアのみに生息しています。また、麹菌の中でも味噌や醤油造りに使われる黄麹の学名は「Aspergillus Oryzae(アスペルギルス・オリゼ)」と呼ばれています。(『もやしもん』を読んだことがある方は一度は聞いたことがあるはず‥!)
さらに、「ニホンコウジカビ」を発酵などに使用するのは日本だけなので、2006年に10月に日本醸造学会より「国菌」に指定されています。
麹菌の仕事は、デンプンを糖に変えること、タンパク質をアミノ酸に変えることなどがあります。また、麹菌によって得意分野も変わります。
一部、紹介しますね。ちなみに、菌の名前の頭についている「アスペルギルス」の和名が「コウジカビ」です。
- アスペルギルス・オリゼ 清酒、味噌、醤油などを醸します!
- アスペルギルス・ソーエ 醤油を醸します!
- アスペルギルス・カワチ 焼酎を醸します!
- アスペルギルス・アワモリ 泡盛や焼酎を醸します!
※醸す‥麹(こうじ)を発酵させて、酒・醤油などをつくる。醸造する。(weblio辞書より引用)
他にもたくさん菌はいますので、もっと知りたい方はこちらを合わせてご覧くださいませ!
「コウジカビ」と日本の食文化は密接に繋がっていることがわかります。
また、国鳥や国花のように国菌があるんですね‥!初めて知りました。
そして、麹菌がこんなにいることにも驚きです!
菌のことを考えると、『もやしもん』が読みたくなりました。笑
では、焼酎でよく聞く「黒麹」と「白麹」は一体‥?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
次に、黒麹菌と白麹菌を発見した河内源一郎氏のお話に移りましょう。
黒麹菌・白麹菌を見つけたのは河内源一郎氏!
明治時代半ばまで、九州でも黄麹を用いた焼酎造りを行っていましたが高温多湿の気候のため「もろみ」の腐敗に悩まされていました。
九州の焼酎造りの悩みを知った河内源一郎氏は沖縄で造られている泡盛に何かヒントがあるのでは‥?と思い、泡盛造りに使われている麹菌を入手したそうです。
そして、明治43年(1910)にその麹菌から胞子をとり、培養することに成功しました。その名も「泡盛黒麹菌」(アスペルギルス・アワモリ・ヴァル・カワチ)
この黒麹菌を用いた焼酎造りが確立したのは大正半ば頃なのだとか。
しかも、黒麹菌はクエン酸を生成することができます。クエン酸には雑菌を抑制する効果があるため、もろみの腐敗を防ぐことができます。そのため、暑い沖縄でも泡盛が造れます。
一方、黄麹はクエン酸を生成することができなかったため、もろみの腐敗に繋がっていたことが判明しました。
さらに、大正13年(1924)に白麹菌を発見します。きっかけは、黒麹菌の突然変異だったのだとか。白麹菌は黒麹菌よりもデンプンを糖に変える力が優れているそうです!
なかなか学会で認めてもらえなかったので、白麹菌が本格的に使われるようになったのは昭和時代に入ってからだったそう。
参考)「河内菌(黄麹・白麹・黒麹)」「老舗種麹屋の歴史」河内菌本舗
河内源一郎さんがいなかったら、現在主流になっている黒麹や白麹を用いた本格焼酎は生まれていなかったんですね‥!
黒麹菌と白麹菌を見つけていただき、ありがとうございます!
泡盛造りにヒントを求める発想がさすがすぎます‥
九州の麹屋さんは、河内源一郎商店さんのみなので九州の酒造メーカーの多くは河内源一郎商店さんで麹菌をお買い求めなのではないでしょうか‥?
麹菌の歴史はこれでバッチリですね!
では、次に「黒麹」「白麹」「黄麹」それぞれの特徴を紹介していきます。
焼酎造りで香りや味わいにどんな影響を与えるのか楽しみですね!
黒麹
- 香り さつま芋のパワフルな香り
- 味わい どっしり
- 発酵の特徴 クエン酸◯
黒麹はどっしりとした味わいが印象的です!さつま芋のコクや旨味を感じやすいと思います。
白麹
- 香り さつま芋の穏やかな香り
- 味わい まろやか
- 発酵の特徴 クエン酸◯
白麹だと、ふわっと優しい味わいを感じますね。口当たりも軽いことが多いです!
黄麹
- 香り フルーティーな香り
- 味わい サッパリ
- 発酵の特徴 クエン酸×
黄麹は華やかな香りのイメージがとても強いです!口当たりはとてもサッパリしているのであまり芋焼酎らしくない仕上がりになります。
それぞれの麹の特徴も理解できたら、麹が変わると本格焼酎の味わいにどれほど影響を与えるのか飲み比べをしてみたくなりませんか?
今回は、焼酎ビギナーの飲みやすい銘柄をご紹介します!
手軽に飲み比べができるようにスーパーで手に入るものとオンラインストアで手に入るものをピックアップしています。
【黒麹】『黒霧島』
- メーカー名 霧島酒造
- ジャンル 本格芋焼酎
- アルコール度数 25度
- 原材料 さつま芋(九州産)、米麹(国産米)
- 飲み方 ロック、水割り
写真は霧島酒造さんのHPよりお借りしました。
【黒麹】『薩摩の誉』
- メーカー名 大山甚七商店
- ジャンル 本格芋焼酎
- アルコール度数 25度
- 原材料 さつま芋(鹿児島県産)、米麹(国産米)
- 飲み方 お湯割り、ロック
【白麹】『白霧島』
- メーカー名 霧島酒造
- ジャンル 本格芋焼酎
- 原材料 さつま芋(九州産)、米麹(国産米)、芋麹
- 飲み方 ロック、水割り
写真は霧島酒造さんのHPよりお借りしました。
【白麹】『薩摩の誉』
- メーカー名 大山甚七商店
- ジャンル 本格芋焼酎
- アルコール度数 25度
- 原材料 さつま芋(鹿児島県産)、米麹(国産米)
- 飲み方 お湯割り、水割り
写真は大山甚七商店さんのHPよりお借りしました。
【黄麹】『黄麹蔵』
- メーカー名 国分酒造
- ジャンル 本格芋焼酎
- アルコール度数 25度
- 原材料 さつま芋(鹿児島県産)、米麹(国産米)
- 飲み方 水割り、ソーダ割り
写真は酒舗三浦屋様のHPよりお借りしました。
【黄麹】『海』
- メーカー名 大海酒造
- ジャンル 本格芋焼酎
- 原材料 さつま芋(ベニオトメ)、米麹(国産米)
- 飲み方 水割り、ソーダ割り
写真は大海酒造さんのHPよりお借りしました。
麹ごとの飲み比べは私も何度か試しましたが、とても面白いですよ‥!
自分の好みの麹が見つかると焼酎選びもより楽しくなります!
黄麹の本格焼酎もスーパーで売っているものを本当は紹介したかったのですが、なかなか難しく‥黄麹の焼酎は飲食店でも置いているお店は多いので機会があったらお試しくださいませ!
おわりに
今回は麹の違いについてお届けしました!少し難しいパートもありましたが、この記事をきっかけに麹に興味を持っていただけると嬉しいです!
ボトルに「黒〇〇」と書いてあるものは「黒麹」をつかった焼酎であることが多いのでジャケ買い感覚で飲んでみるのもオススメです!
投稿者プロフィール
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焼酎プロモーションメディア「RANBIKI」編集長/焼酎プロモーター
好きなものはあん肝と白子。趣味は美味しい飲食店めぐりと酒屋さんめぐり
学生時代に本格焼酎と出会い、「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」「焼酎=パワフルのイメージを払拭したい」想いが強くなる。
その後独学で焼酎の勉強を始める。2021年3月に焼酎唎酒師を取得。
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