芋焼酎に使われる「さつまいも」の種類もたくさんある

芋焼酎の主原料は、「サツマイモ」です。

芋焼酎と一口に言っても、様々な種類の原料芋から個性あふれる様々な銘柄が生まれます。 芋焼酎造りに使われるサツマイモの品種は、40種以上あるといわれています。その芋の種類だけ、風味や味を表現することができます。

その中でも近年人気なものや、ポピュラーなものをいくつかご紹介いたします。

芋焼酎の原料で一番メジャーな「黄金千貫(コガネセンガン)」

芋焼酎造りの原料として一番有名な「黄金千貫(コガネセンガン)」 。サツマイモの代表格として、食用としても親しまれています。中身・皮まで共に白いサツマイモです。 黄金色の外皮と、1株から千貫(4トン弱)までは行きませんが大量に収穫できることが由来となっています。

「黄金千貫(コガネセンガン)」 は、ほかの芋と比べてデンプン質の含有量が多くアルコールを生成しやすいことから、焼酎の原料としてよく用いられます。

芋焼酎をフルーティーに仕上げる「ジョイホワイト」

「ジョイホワイト」は、1994年に宮崎県で開発された、焼酎原料専用のサツマイモです。「黄金千貫」を品種改良したサツマイモですが、熱しても甘くなく食用にはなりません。

近年、芋臭いと言われるようなどっしりとした芋焼酎のイメージではなく、スッキリとした軽やかな飲み口の芋焼酎が増えています。そのようなライトで爽やかな焼酎を造り出すのに向いているのが「ジョイホワイト」です。

お菓子にも使われて最近人気の「安納芋(あんのういも)」

近年、お菓子などにもよく使われるサツマイモで別名「蜜芋」と呼ばれます。生の状態で16度、焼くと糖度が40度にまでなります。

種子島の芋を代表するさつまいもで、焼酎にしてもふくよかでまったりした味になります。

甘味が強くて味が良い「紅さつま」

『サツマイモの王様』と言われる「紅さつま」。 お菓子の加工や焼き芋で親しまれており、食用に人気です。外皮は濃紅色、中は白色で、甘味が強くて味が良い事が特徴です。バランスの取れた栄養素を持ち、食物繊維を豊富に含んでいます。

焼酎にすると、芋本来の甘みや香りを引き立てます。

サツマイモの中でも一番美味しいとされる「金時芋」

きんとんの材料として利用される品種です。皮色が紫紅色であざやかで、形は長紡錘形で美しいため『サツマイモの女王』とよばれています。「黄金千貫」と「紅さつま」長所を併せ持ち、サツマイモの中でも一番美味しいとされています。生産は全国で行われており、外皮は紫赤で、中身は淡黄色です。

焼酎にすると、程よいキレと香りがある華やかでシャープな仕上がりになります。

「紅あずま(ベニアズマ)」

焼き芋などに使われる芋で、高品質で人気な品種です。主に関東を中心に栽培されていますが、南薩で生産されている物は特に良質とされています。皮の色が紅色で中身は明るい黄色です。ホクホクしていて、甘みが強いのが特徴です。

焼酎にすると、甘さとコクが調和した芋ならではの風味が楽しめるものになります。

希少性の高い紫芋品種「綾紫」

「綾紫」は、鹿児島県産で栽培が盛んな、紫芋の品種です。水分含有率が少なくポリフェノール類が多く含まれているのが特徴です。

通常のさつま芋で造った焼酎に比べて、より甘く華のある香りに仕上がり、上品な味になるため人気です。

様々なスイーツの材料としても人気の紫芋「種子島紫」

安納芋などと共に古くから種子島で作られてきたサツマイモの在来種で、本土へ出荷することが2000年に解禁になった、薬膳芋とも呼ばれる品種です。表皮は白っぽく、果肉は紫色をしていて、加熱することで更に果肉の紫色が鮮やかになります。

軽快で上品な甘味の焼酎に仕上がる事で有名です。

ブラジルから持ち込まれた甘みの強い「しもん芋」

原産国ブラジルから1972年に持ち込まれ、熊本県の特産品となったサツマイモです。白い外皮や果肉の白さから、「白甘藷(シロカンショ)」とも呼ばれています。栄養価が非常に高く、栽培するとその畑が含んでいる栄養成分を吸収し過ぎてしまうため、一度栽培した畑には数年以上他の作物の栽培ができなくなってしまうそうです。

甘味・柔らかさが特徴となっている芋焼酎に仕上がるのが特徴です。

強い抗酸化作用が特徴の「ムラサキマサリ」

平成14年に品種登録された紫芋「ムラサキマサリ」 。ポリフェノールの一種アントシアニンが豊富に含まれています。その強い抗酸化作用により老化防止、血液サラサラ、目の健康などに役立ちます。

フルーティな香りと、すっきりとした飲み口の焼酎い仕上がります。

糖度が大変高くて甘い「白豊(しろゆたか)」

糖度が大変高く、でんぷん質が非常に多いのが特徴です。甘くて大変美味しいサツマイモで、主に種子島で栽培されています。種子島の土壌には豊富なミネラルが含まれており、この土壌のおかげで種子島産の白豊は糖度が高くなるそうです。 

ふわっとした甘みを残す、風味豊かな焼酎に仕上がります。

戦前・戦後に作られていた幻の品種「げんち芋」

戦前・戦後、鹿児島で主に作られていたサツマイモの一種です。今ではなかなか出会う機会も少なくなってきています。焼酎造りで一番メジャーな黄金千貫に比べ6割程度しか収穫が出来ず、また、水分が多いため加工が難しい。

焼酎用の原料芋にしては珍しく、赤色の皮をしており肉質も硬いです。

昭和初期に栽培された昔芋「農林二号」

昭和40年代まで、鹿児島で広く焼酎用として栽培されていたサツマイモで、今では幻の品種となっている「農林二号」。

昔ながらの芋の香りが強い焼酎に仕上がります。昔芋の風味や、芋!という強い味が好みの方にはお勧めです。

まとめ

様々な種類の芋で製造される焼酎には、主原料の芋の種類で風味や味が大きく変わります。生産農家さんがこだわって造ったサツマイモで、美味しい焼酎が出来上がっているんですね。

RANBIKIの焼酎銘柄紹介では、製造されている芋の種類もご紹介しているので、是非参考にしながらお好みの焼酎を見つけてみてくださいね。

投稿者プロフィール

RANBIKI編集部
RANBIKI編集部
焼酎プロモーター亜樹穂と共に焼酎の可能性を探っています。今後は、焼酎イベントや本格焼酎を豊富に取り揃えた飲食店にも同行を予定しています。