皆さん、こんばんは!一人でも多くの人に焼酎を飲むきっかけを与えたい。焼酎プロモーターの亜樹穂です!本日は、「GI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウム」の現地取材レポートの後編をお届けします!
前編をまだ読んでいない!という方はこちらよりご覧くださいませ!
後編では、第二部のパネルディスカッション、第三部のカクテルセミナー、終了後に行った登壇者へのインタビューを掲載します!
【第二部】パネルディスカッションでは議論が白熱!
パネルディスカッションのテーマは、「GI制度と本格焼酎・泡盛の現状・課題・今後の展望について」でした!
コーディネーターは田崎真也氏、パネリストは本日ご登壇いただいている石橋氏、堤氏、小牧氏、長嶺氏という組み合わせです。
皆さんが本格焼酎・泡盛を海外に輸出するために必要なこととして、共通しておっしゃっていたのは「本格焼酎と泡盛をカクテルベースに使って欲しい」というもの。いきなり、本格焼酎そのものではなく焼酎カクテルにすることで本格焼酎と泡盛を飲むきっかけをつくりやすくなるのではないかという考えからなのだとか。
とはいえ、カクテルベースに使われるお酒の多くはアルコール度数が高いもの。堤氏は25度のアルコールではなく、蔵で長年貯蔵・熟成されているアルコール度数の高いお酒をカクテルベース用に商品化を検討するか悩んでいるとおっしゃっていました。
田崎氏は地理的表示の本格焼酎・泡盛は海外に輸出する際にプレミアムをつけて高級感を出してもいいのではとおっしゃっていました。
皆さんが一人でも多くの人に焼酎を飲んでいただきたいと考えている様子が言葉の端々から伝わってきました!確かに、冒頭の田崎氏のお話にもあったよう25度の蒸留酒を割って飲む習慣がない海外の方にいきなり本格焼酎・泡盛そのものを飲んでいただくのはハードルが高いかもしれません。
焼酎カクテルにすることで、ベースとなるお酒に興味を持っていただく方がもしかしたら近道なのかも‥?
【第三部】焼酎カクテルを楽しもう!
カクテルセミナーでは、南雲さんと会場をオンラインで繋ぎながらカクテルセミナーが行われました!
オンラインでご参加いただいている皆さんは焼酎カクテルづくりに使う材料を準備します。その後、南雲さんによカクテルづくり動画を見ながら一緒につくる参加型の企画です!
ちなみに、会場にいる私達はつくっていただいた焼酎カクテルをいただきました!
【麦焼酎】壱岐の華 Mugi Julep
材料
- 壱岐の華 40ml
- 甘夏マーマレード(一般的なマーマレードも可)ティースプーン2杯
- クエン酸溶液(またはレモンジュース)5ml
- クラッシュアイス(コンビニアイスコーヒー用レギュラーサイズ)
ロックグラスを用意し、ソーダ以外を注ぎ、よく混ぜる。クラッシュアイスを詰めてソーダを注いで軽く混ぜたら完成。
※クエン酸溶液:クエン酸4.2g、お湯200mlを一緒に混ぜてクエン酸を溶かす。冷やしてからボトルに入れて保管。
『壱岐の華』はトーストしたパンのような香りが楽しめる麦焼酎。
南雲さんによると、パンのような香りがするタイプの焼酎には、パンのお供と相性がいいそうです!
最初に感じるのは甘酸っぱい柑橘類の香り!余韻に壱岐焼酎ならではの麦の旨味と米の甘みがふわっと感じられます。甘いカクテルのように見えるものの、後味はちょっぴり大人の味わいを楽しめますね!
【米焼酎】極楽 Kome Colanda
材料
- 極楽 40ml
- フローズンマンゴー 4個
- 生クリーム 30ml
- ガムシロップまたはバニラシロップ 10ml
- クラッシュアイス 30g
材料を容器に入れ、ハンドブレンダーでよく撹拌すれば完成。
オススメのグラスは、タンブラー(背の高いグラス)またはカクテルグラス(ひらべったいショートカクテルを入れるグラス)
『極楽』を造る林酒造さんは16世紀から焼酎を作り続けている歴史の長い蔵元なのだとか。田崎氏は日本酒に通じる食感。まるでもろみに戻っているような味わいを楽しめるカクテルとおっしゃっていました。
マンゴーの生み出す南国果実ならではの甘さと米焼酎『極楽』の複雑な味わいが見事に調和していますね!舌の先で味わう少しビターな味わいになります。舌の真ん中に乗るようにすると米焼酎の甘さが際立ちます!シャーベットのような食感なので、デザート感覚でティースプーンですくってもいいかも!
【芋焼酎】小鶴くろ Royal Potato Tea
材料
- 小鶴くろ 40ml
- フォートナム・アンド・メイソンロイヤルブレンド(またはウバ茶葉)2.5g
- ガムシロップ 10ml
- お湯 140ml
- 牛乳 60ml
お湯を茶葉またはティーパックに注ぎ、4分蒸らし、鍋に入れる。60mlのミルク、10mlのガムシロップを注ぎ、沸騰直前まで温める。
火を止めて、小鶴くろ40mlを注ぎ、軽く混ぜてからカップに注ぐ。
※シロップはメープルシロップやチャイシロップでも美味しい。ホイップしたクリームを上に浮かべても◎
南雲さんはカフェラテをイメージして、このカクテルを考案したそうです!
ミルクティーづくりの際に沸騰させてしまうと茶葉の香りが飛んでしまうそうです。
また、火を止めてから『小鶴くろ』を注ぐ理由はアルコールや芋焼酎の香りが飛んでしまうリスクを避けるためです!
最初はミルクティーだ‥!と思うのですが、後味に芋焼酎ならではのコクと素材の甘みを感じます。ホットカクテルをいうものをあまりいただかないので新鮮ですね!
ティーパック方がすぐできるので、使ってしまいがちですがお時間の余裕のある方は「茶葉」がオススメ!紅茶の香りが変わりますよ!
【泡盛】尚-SHO- Banana Land
材料
- 尚-瑞泉酒造- 40ml
- バナナリキュール(テンパスフュージットバナナリキュール推奨) 30ml
- 牛乳 90ml
- かち割り氷 適量
すべての材料を密閉できる容器に入れて振れば完成!オススメのグラスはロックグラスまたはタンブラーグラス。
『尚』は泡盛を造る蔵元12社が共同開発して生まれた泡盛。3回蒸留することで、泡盛独特の癖がなくなりクリーンな味わいになったのだとか。蔵の垣根を越えて生まれた新しい泡盛として注目されています。
バナナのインパクトに驚きました!
クリアな味わいで、どことなくほのかに泡盛に使われる米麹の甘さを感じます。
おお、これは飲みやすい!と思ってついつい飲んでしまいますが40度のアルコールが入っていますのでお気をつけて!笑
GI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウムはこれにて閉幕!
濃い時間だったので、あっという間でした‥!次のパートでは登壇者へのインタビューをお届けします!
※小牧醸造の小牧氏は鹿児島にすぐ戻られたので、インタビューはしておりません。
予めご了承くださいませ。
壱岐焼酎は米の甘みと旨味が楽しめる麦焼酎
まずは、壱岐の蔵酒造の石橋氏にお話を伺いました!
亜樹穂:長丁場お疲れさまでした!GI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウムにご参加していかがでしたか?
石橋氏:このような合同開催という形式も、オンライン配信という形式も初めてだったので緊張しましたね。壱岐地方単独でやるよりも他の地域と比較することで、地理的表示の話は伝わりやすかったように思います。
亜樹穂:そうだったんですね。確かに他の地域と比較試飲する方が理解しやすいですよね!ありがとうございます!少し先の話になってしまいますが、壱岐焼酎を広めるために今後はどのようなことを考えていますか?
石橋氏:そうですね。本格焼酎は「食中酒」であることをもっと伝えていきたいです。
また、壱岐焼酎は柑橘類と相性がいいのでカクテルベースにしていただき焼酎カクテルとして飲んでもらえたら嬉しいなと思います。
亜樹穂:ありがとうございます!では、最後になりますが「壱岐焼酎」を一言で表すとどのようなお酒でしょうか?
石橋氏:壱岐焼酎は米麹でできた麦焼酎なので、麦の旨味だけでなく米の甘みと旨味を感じられることが魅力的です。麦麹と麦でできた麦焼酎よりも飲みやすいと思うので、焼酎ビギナーにも飲んでもらえたら嬉しいです。
球磨焼酎は焼酎の原点
亜樹穂:長丁場お疲れさまでした!今回のイベントに登壇してみていかがでしたか?
堤氏: 球磨焼酎の代表ということで緊張しましたね。このように地理的表示の地域が集まる機会はなかなかないので、呼んでいただけてありがたいと思いました。
亜樹穂:ありがとうございます!今回は『繊月』をご紹介していただきましたが堤様の思う焼酎ビギナー向けにオススメしたい米焼酎はどういうものでしょうか?
堤氏:やはり米の甘みを楽しめる優しい味わいのタイプではないでしょうか。米焼酎は糖が入っている食事と相性がいいので食事の邪魔をしないのも魅力だと考えています。
亜樹穂:ありがとうございます!最後になりますが、「球磨焼酎」を一言で表すとどのようなお酒でしょうか?
堤氏:すべての焼酎の原点だと思います。基本的にどの焼酎にも米麹が使われていますよね。その米麹だけで造った米焼酎の美味しさをもっと伝えていきたいです。
琉球泡盛はまだまだ魅力が伝わっていない
亜樹穂:長丁場お疲れさまでした!蔵元と違う立場でご登壇されているとおっしゃていましたが普段はどのような活動をされていらっしゃいますか?
長嶺氏:泡盛のテキストづくりを始め、消費者向けに泡盛の魅力を伝える活動をしています。年に一度、泡盛と沖縄の踊りを楽しむイベントもコロナ禍になる前までは開催していました。
亜樹穂:そうなんですね‥!長嶺様は「琉球泡盛」はどんな課題があると考えていらっしゃいますか?
長嶺氏:造り手の想いが伝わっていないこと、泡盛の美味しい飲み方を発信する人がいないことですね。現地では、30度の泡盛を水やお湯で割って楽しんでいることもなかなか伝わっていません。
亜樹穂:そうなんですね‥私もまだまだ泡盛は不勉強なものでして。ストレートで飲むイメージの方が強いという印象が正直なところです。最後になりますが、「琉球泡盛」を一言で表すとどのようなお酒でしょうか?
長嶺氏:まだまだ美味しい飲み方が伝わっていないお酒ですね。これから琉球泡盛の魅力を伝える活動を続けていきたいです。
インタビューを引き受けてくださった石橋様、堤様、長嶺様ありがとうございました!
イベントに対する所感から課題、今後挑戦したいことなどを直接お伺いできて本当にありがたいです!
私も少しでも皆様にお力添えできるように焼酎ビギナー向けの情報発信を続けていきます!
おわりに
これにてGI本格焼酎・泡盛オンラインシンポジウムfrom九州・沖縄のイベントレポート後編が終わります!
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
いかがでしたか?このイベントの内容をもっと知りたいという方は2021年3月末まではYou Tubeでアーカイブを配信していますので、合わせてご覧くださいませ!
初めての現地取材はとっても緊張しました!
地理的表示について改めて学ぶ機会になりましたし、登壇者の熱い議論を会場で拝見できたことも終了後にお話を伺えたこともありがたい限りだと思いました。
今一度、気を引き締めて焼酎業界を盛り上げていけるよう頑張っていきたいと思います!
投稿者プロフィール
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焼酎プロモーションメディア「RANBIKI」編集長/焼酎プロモーター
好きなものはあん肝と白子。趣味は美味しい飲食店めぐりと酒屋さんめぐり
学生時代に本格焼酎と出会い、「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」「焼酎=パワフルのイメージを払拭したい」想いが強くなる。
その後独学で焼酎の勉強を始める。2021年3月に焼酎唎酒師を取得。
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