焼酎好きなら一度は耳にした事がある「3M(スリーエム)」。幻の焼酎とも呼ばれる、非常に有名な焼酎ですよね。プレミアム焼酎とも呼ばれる高級な焼酎の中でも、一番名前がしれているのが「3M」ではないでしょうか。

今回は、そんな日本が世界に誇れる「3M(スリーエム)」はどんな焼酎なのか?高級なのは知っているけれど、どうにか定価で入手する方法はないか?など、詳しくご紹介いたします。

入手困難!プレミアム焼酎とは?稀少な焼酎の理由は?

焼酎界の「3M(スリーエム)」とは?

プレミアム焼酎の代名詞とも言える「3M(スリーエム)」

3種類の芋焼酎、「森伊蔵(もりいぞう)」「魔王(まおう)」「村尾(むらお)」のことを指します。高値で取引されているため、とても手に入りにくくレアな焼酎として有名です。

プレミア価格になるほど人気になる理由は、やはり味が「おいしいから」です。多くの人に長く愛されるからには、それなりの理由があります。

森伊蔵(もりいぞう)

「森伊蔵(もりいぞう)」は、鹿児島県垂水市に本拠を置く「森伊蔵酒造」が製造・販売する芋焼酎のブランドです。

酎を飲む人も、飲まない人も一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?本格焼酎ブームの火付け役のひとつとなり、生産量が少ないことから「幻の焼酎」と呼ばれ、一時期定価の10倍もの価格で流通していました。

国際線のファーストクラスで提供されていたり、 フランスの元大統領、ジャック・シラク氏が大好物であると公言していることで有名です。

当時のトヨタ自動車社長・張富士夫がレジオンドヌール勲章を受けた返礼として森伊蔵を12本を持参したところ、叙勲式で「これ以上うれしいことはない。よくぞこれだけの本数をそろえていただいた。私のことをアルコール中毒と思わないでくださいね」と語って周囲を笑わせた事は有名なストーリーです。

契約農家が栽培した低農薬のさつま芋 (黄金千貫)を使用し、水は、高隈山系の伏流水が使われています。スタッフ15人程の小さな蔵でかめ壺を使って仕込まれていて、先代が研究を重ねてできた製法を守りながら、丁寧に造られています。

風味は、かめ壺で仕込んでいるからこそ出る丸みのある口当たりで飲みやすく、また、フレッシュなさつま芋の香りが生きています。芋臭さはなく、まろやかで優しい味が特徴です。

名称森伊蔵(もりいぞう)
主原材料さつま芋(黄金千貫)
米麹(白麹)
アルコール25度
蒸留方法常圧蒸留
製造元有限会社森伊蔵酒造
生産地鹿児島県垂水市牛根境1338

魔王(まおう)

「魔王(まおう)」鹿児島県錦江町にある「白玉醸造」から販売されている芋焼酎です。

魔王というインパクトのある銘柄名には焼酎を造る過程で起きる現象が元になっています。

焼酎を含む蒸留酒は樽で熟成される際に、水分やアルコール分が少しずつ蒸発し、原酒の量が減っていきます。その酒は、昔から「天使のわけまえ」と呼ばれ貴重で縁起のよい酒として扱われてきました。「魔王」は、その天使を誘惑する悪魔たちによって魔界にもたらされる最高の酒という意味で命名されたといわれています。

「白玉醸造」は明治37年(1904年)創業の老舗蔵です。魔王は、焼酎離れを食い止めるべくい生み出された銘柄で、焼酎らしくない」という人がいるほど、驚くほどまろやかでフルーティーな香りが特徴です。

日本酒で一般的に使われる黄麹を使い、減圧蒸留で仕込んでいるため、芋臭さはなく、若い世代の方や、女性にも飲みやすい焼酎になっています。その飲みやすさや魅力が世間に認知され、入手困難なプレミア焼酎となりました。

名称魔王(まおう)
主原材料さつま芋(黄金千貫)
米麹(黄麹)
アルコール25度
蒸留方法減圧蒸留
製造元白玉醸造株式会社
生産地鹿児島県肝属郡錦江町城元618-6

村尾(むらお)

「村尾(むらお)」は、鹿児島県薩摩川内市にある、15人程の小さな蔵「村尾酒造」で造られています。

「黄金千貫(コガネセンガン)」と「白豊(シロユタカ)」などの原料芋を、国産の麹米を使った黒麹で仕込んでいます。また、「かめ壺仕込み」での仕込みをおこなっており、ほとんどの工程を手作業で行っています。

村尾の焼酎は、1年ものの焼酎で、その年に造った焼酎は、翌年までに売り切ってしまい、長期熟成はさせないものになります。なので、ワインと同じように、芋の品質や、気候などによって毎年味が少しづつ代わっていくのも特徴です。もちろんブレンドされて、味の幅は少ないものの、毎年飲んでいる人だけがわかる味の違いも、リピーターを生んでいる理由かもしれません。

妥協のない職人が造る焼酎は格別です。味わいは、「これぞ芋焼酎」という昔ながらの芋の風味を味わう事ができる焼酎です。非常に高価な木製の木桶蒸留機を導入し、独特の柔らかな味わいを表現しています。奥深く、存在感のある独特の世界観のある、味わい深い逸品です。

名称村尾(むらお)
主原材料さつま芋(黄金千貫・白豊)
米麹(黒麹)
アルコール25度
蒸留方法常圧蒸留
製造元村尾酒造合資会社
生産地鹿児島県薩摩川内市陽成町8393

「3M(スリーエム)」の由来は?

3種類の芋焼酎、「森伊蔵(もりいぞう)」「魔王(まおう)」「村尾(むらお)」のことを指します。3銘柄とも頭文字に「M」がつくため、3Mと呼ばれるようになりました。

焼酎の歴史は400年以上ともいわれていますが、これほど有名な焼酎はないかもしれません。長年愛されてきた「3M(スリーエム)」には、それなりのこだわりと高い品質の味があるものです。

「3M(スリーエム)」はなぜ高価なのか?

実は、「3M(スリーエム)」の定価は、いずれも一升瓶(1800ml)で3,000円程度とスーパーや街の酒屋さんで手に入る焼酎と変わりません。

なぜ、楽天やAmazonなどで購入しようとあんなに高いのかというと、手間暇かけて手仕込みで造られた3Mの焼酎は生産量が少なく、その生産本数に対して需要が多すぎるため、定価では流通せず、定価の5倍~10倍の価格で出回っています。

実際問題、製造している蔵元は、定価で酒屋におろしているため、中間マージンでも受けている所があるということですね。蔵元は多く利益を生むことができるわけではないので、なんだかもやっとしてしまいますね。

「3M(スリーエム)」を定価で購入する方法は?

「幻の焼酎」と聞けば聞くほど、死ぬまでに一度は飲んでみたいと思うのが焼酎好きの性ですよね。ただ、流通している価格は跳ね上がっているので、定価で購入できる方法は無いか知りたい方も多いハズです。

そこで、「3M(スリーエム)」を定価で購入する方法についてご紹介いたします!

森伊蔵を定価で購入する方法

森伊蔵は、森伊蔵酒造から直接【抽選】で購入することができます。毎月15日~25日にかけて電話抽選をおこなっており、抽選に当選すると定価で購入することができます。電話での抽選販売のみで、インターネット販売は行っていません。

森伊蔵酒造の直販以外では、高島屋の酒類販売で森伊蔵を購入することができます。ただし、こちらも抽選であるため、高島屋の店舗でハガキによる応募が必要です。

抽選での当選確率は0.2倍とかなり高い倍率となっています。そんな方は、JALの国際線機内販売で、森伊蔵を購入することができます。

ただし、森伊蔵の機内販売は、国際線のファーストクラス、ビジネスクラス限定となっているので、もし乗る機会があれば購入することをお勧めします。

魔王を定価で購入する方法

酒造元(白玉醸造)の関連会社の玉利商店から購入することができます。申込書の送付依頼を電話で行います。

電話での申込書の受付が完了すると、玉利商店から郵送で届きます。申込用紙に必要事項を記入して玉利商店へ返送し、先方に届いたら受付が完了します。電話での受付は、土日祝日を除く平日の9時から受付スタートで、その日の締め切り本数になると受付が終了します。予約数は公表されていませんが、10時過ぎには締め切りになるそうです。

時間はかかりますが、予約順に魔王が代引きで発送されます。

村尾を定価で購入する方法

「村尾」は、武岡酒店という酒屋で定価で手に入れることができます。通常はがきで応募し、当選すると村尾を購入する権利が得られます。

毎月1日~10日(消印有効)で、応募は1人1枚まで応募することができます。応募数が多くなかなか当選するのは難しいですが、毎月1枚のはがきを送るだけで購入できる可能性があるのはありがたいですね。

まとめ

「3M(スリーエム)」は焼酎界のレジェンドで、プレミア焼酎です。3種類の芋焼酎、「森伊蔵(もりいぞう)」「魔王(まおう)」「村尾(むらお)」のことを指します。

丹精こめて造られた有名な焼酎は、需要が供給を上回っているため、入手が難しく流通している価格が高単価になってしまっています。

ただ、定価で購入できる方法もありますが、抽選の場合が多いため根気よくチャレンジしてみる事が良いかと思います。

投稿者プロフィール

RANBIKI編集部
RANBIKI編集部
焼酎プロモーター亜樹穂と共に焼酎の可能性を探っています。今後は、焼酎イベントや本格焼酎を豊富に取り揃えた飲食店にも同行を予定しています。