焼酎好きなら一度は耳にした事がある「3M(スリーエム)」。幻の焼酎とも呼ばれる、非常に有名な焼酎ですよね。プレミアム焼酎とも呼ばれる高級な焼酎の中でも特に名前が知られているものは「3M」ではないでしょうか。
今回の記事は、そんな日本が世界に誇れる「3M(スリーエム)」はどんな焼酎なのかというお話から入手方法や「3M(スリーエム)」が飲める飲食店も紹介します!
焼酎界の「3M(スリーエム)」とは?
プレミアム焼酎の代名詞とも言える「3M(スリーエム)」。
3種類の芋焼酎、「森伊蔵(もりいぞう)」「魔王(まおう)」「村尾(むらお)」のことを指します。高値で取引されているため、とても手に入りにくくレアな焼酎として有名です。
プレミア価格になるほど人気になる理由は、やはり味が「おいしいから」です。多くの人に長く愛されるからには、それなりの理由があります。
【森伊蔵酒造】『森伊蔵(もりいぞう)』
- ジャンル 芋焼酎
- アルコール度数 25度
- 原材料 さつま芋(黄金千貫)、米麹
- 飲み方 ロック、ストレート
写真は森伊蔵酒造さんのサイトからおかりしました。
「森伊蔵(もりいぞう)」は、鹿児島県垂水市に本拠を置く「森伊蔵酒造」が製造・販売する芋焼酎のブランドです。
焼酎を飲む人も、飲まない人も一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?本格焼酎ブームの火付け役のひとつとなり、生産量が少ないことから「幻の焼酎」と呼ばれ、一時期定価の10倍もの価格で流通していました。
国際線のファーストクラスで提供されていたり、 フランスの元大統領、ジャック・シラク氏が大好物であると公言していることで有名です。
当時のトヨタ自動車社長・張富士夫がレジオンドヌール勲章を受けた返礼として森伊蔵を12本を持参したところ、叙勲式で「これ以上うれしいことはない。よくぞこれだけの本数をそろえていただいた。私のことをアルコール中毒と思わないでくださいね」と語って周囲を笑わせた事は有名なストーリーです。
契約農家が栽培した低農薬のさつま芋 (黄金千貫)を使用し、水は、高隈山系の伏流水が使われています。スタッフ15人程の小さな蔵でかめ壺を使って仕込まれていて、先代が研究を重ねてできた製法を守りながら、丁寧に造られています。
風味は、かめ壺で仕込んでいるからこそ出る丸みのある口当たりで飲みやすく、まろやかで優しい味が特徴です。
飲食店でいただきましたが、熟成されたさつま芋の香りにうっとり‥!
今まで感じたことがないくらいの丸くて柔らかい口当たりに感動しました。余韻もとても上品で、持続する時間が長いです。ロックでちびちび大事に飲みたくなりますね。
【白玉醸造】『魔王(まおう)』
- ジャンル 芋焼酎
- アルコール度数 25度
- 原材料 さつま芋、米麹
- 飲み方 ロック、水割り
写真は田染荘さんのサイトよりお借りしました。
「魔王(まおう)」鹿児島県錦江町にある「白玉醸造」から販売されている芋焼酎です。
魔王というインパクトのある銘柄名には焼酎を造る過程で起きる現象が元になっています。
焼酎を含む蒸留酒は樽で熟成される際に、水分やアルコール分が少しずつ蒸発し、原酒の量が減っていきます。その酒は、昔から「天使のわけまえ」と呼ばれ貴重で縁起のよい酒として扱われてきました。「魔王」は、その天使を誘惑する悪魔たちによって魔界にもたらされる最高の酒という意味で命名されたといわれています。
「白玉醸造」は明治37年(1904年)創業の老舗蔵です。魔王は、焼酎離れを食い止めるべくい生み出された銘柄で、焼酎らしくない」という人もいるのだとか。
日本酒で一般的に使われる黄麹を使い、減圧蒸留で仕込んでいるため、スッキリとした味わいに仕上がっています。若い世代の方や、女性にも飲みやすい焼酎になっています。その飲みやすさや魅力が世間に認知され、入手困難なプレミア焼酎となりました。
こちらも飲食店でいただきました!
日本酒を彷彿とさせる香りなので、一瞬米焼酎を飲んでいるのか?と少し混乱した記憶があります。笑 黄麹×減圧蒸留で芋焼酎を造るとこんなに変わるのか!と勉強になります。口当たりがスッキリしており、いい意味で焼酎らしくないです。
「3M」の中では比較的入手しやすい銘柄なので、焼酎ビギナーもぜひお試しを!
【村尾酒造】『村尾(むらお)』
- ジャンル 芋焼酎
- アルコール度数 25度
- 原材料 さつま芋(黄金千貫、シロユタカ)、米麹
- 飲み方 ロック、ストレート
写真はアジマルシェさんのサイトよりお借りしました。
「村尾(むらお)」は、鹿児島県薩摩川内市にある、15人程の小さな蔵「村尾酒造」で造られています。
「黄金千貫(コガネセンガン)」と「白豊(シロユタカ)」などの原料芋を、国産の麹米を使った黒麹で仕込んでいます。また、「かめ壺仕込み」での仕込みをおこなっており、ほとんどの工程を手作業で行っています。
村尾の焼酎は、1年ものの焼酎で、その年に造った焼酎は、翌年までに売り切ってしまい、長期熟成はさせないものになります。なので、ワインと同じように、芋の品質や、気候などによって毎年味が少しづつ代わっていくのも特徴です。もちろんブレンドされて、味の幅は少ないものの、毎年飲んでいる人だけがわかる味の違いも、リピーターを生んでいる理由かもしれません。
妥協のない職人が造る焼酎は格別です。味わいは、「これぞ芋焼酎」という昔ながらの芋の風味を味わう事ができる焼酎です。非常に高価な木製の木桶蒸留機を導入し、独特の柔らかな味わいを表現しています。奥深く、存在感のある独特の世界観のある、味わい深い逸品です。
こちらも飲食店でいただきました!
味わいに透明感があるように感じました。口当たりはまろやかだけど、その中にキリッと引き締める要素もあって‥
洗練された味わいってこういうものなのか?と今までに飲んだことのない風味と余韻に恍惚としていました。(個人的には3Mの中では『村尾』が好みでした)
「3M(スリーエム)」の由来は?
3種類の芋焼酎、「森伊蔵(もりいぞう)」「魔王(まおう)」「村尾(むらお)」のことを指します。3銘柄とも頭文字に「M」がつくため、3Mと呼ばれるようになりました。
焼酎の歴史は400年以上ともいわれていますが、これほど有名な焼酎はないかもしれません。長年愛されてきた「3M(スリーエム)」には、それなりのこだわりと高い品質の味があるものです。
「3M(スリーエム)」はなぜ高価なのか?
実は、「3M(スリーエム)」の定価は、いずれも一升瓶(1800ml)で3,000円程度とスーパーや街の酒屋さんで手に入る焼酎と変わりません。
価格が高くなっている理由として、手間暇かけて手仕込みで造られた3Mの焼酎は生産量が少なく、その生産本数に対して需要が多すぎるためと考えられています。
「3M(スリーエム)」を定価で購入する方法は?
「幻の焼酎」と聞けば聞くほど、一度は飲んでみたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。少し調べてみるとネット通販で流通している価格を見て驚く方も多くと思います。でも、できることなら定価で入手したいですよね。
そこで、「3M(スリーエム)」を定価で購入する方法についてご紹介いたします!
森伊蔵を定価で購入する方法
森伊蔵は、森伊蔵酒造から直接【抽選】で購入することができます。毎月15日~25日にかけて電話抽選をおこなっており、抽選に当選すると定価で購入することができます。電話での抽選販売のみで、インターネット販売は行っていません。
森伊蔵酒造の直販以外では、高島屋の酒類販売で森伊蔵を購入することができます。ただし、こちらも抽選であるため、高島屋の店舗でハガキによる応募が必要です。
抽選での当選確率は0.2倍とかなり高い倍率となっています。そんな方は、JALの国際線機内販売で、森伊蔵を購入することができます。
ただし、森伊蔵の機内販売は、国際線のファーストクラス、ビジネスクラス限定となっているので、もし乗る機会があれば購入することをお勧めします。
魔王を定価で購入する方法
酒造元(白玉醸造)の関連会社の玉利商店から購入することができます。申込書の送付依頼を電話で行います。
電話での申込書の受付が完了すると、玉利商店から郵送で届きます。申込用紙に必要事項を記入して玉利商店へ返送し、先方に届いたら受付が完了します。電話での受付は、土日祝日を除く平日の9時から受付スタートで、その日の締め切り本数になると受付が終了します。予約数は公表されていませんが、10時過ぎには締め切りになるそうです。
時間はかかりますが、予約順に魔王が代引きで発送されます。
最近では、カクヤスさんでも入荷されています。オンラインストアまたは店頭で見かけたら購入してみてくださいね!
村尾を定価で購入する方法
「村尾」は、武岡酒店という酒屋で定価で手に入れることができます。通常はがきで応募し、当選すると村尾を購入する権利が得られます。
毎月1日~10日(消印有効)で、応募は1人1枚まで応募することができます。応募数が多くなかなか当選するのは難しいですが、毎月1枚のはがきを送るだけで購入できる可能性があるのはありがたいですね。
「3M(スリーエム)」を飲むなら芋蔵または麹蔵へ!
定価で購入する方法を紹介しましたが、「3M(スリーエム)」が自分の好みに合っているか実際に飲んでから購入をするのも一つの手段かなと思います。
そこで、「3M(スリーエム)」が楽しめる飲食店を紹介します!
店舗によって在庫状況が異なると思うので、どうしても飲みたい方は事前に店舗に電話して在庫を確認してから行ってみましょう!
芋蔵さんは、新宿・銀座・渋谷などに展開している九州料理と本格焼酎が常時100種あるお店です。一部のお店では、焼酎サーバー形式で楽しめる飲み放題もあります。(個人的にはゴマサバがオススメ!)
麹蔵さんは、有楽町・神田・秋葉原などに展開している九州料理と本格焼酎が100種類以上あるお店です。水割りを注文すると、水が入っているグラスと氷に焼酎が注がれたグラスが出てきます。好みの割合で水割りを作れるのがいいですね。(個人的にはゴーヤーのたまり醤油漬けがオススメ!)
おわりに
今回は、プレミアム焼酎こと「3M(スリーエム)」を紹介しました!
いかがでしたか?こちらの記事を読んでますます「3M(スリーエム)」が飲みたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
定価で購入するのは少しハードルが高いので、飲食店でお試しで飲んでみてもいいかもしれません◎
投稿者プロフィール
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焼酎プロモーションメディア「RANBIKI」編集長/焼酎プロモーター
好きなものはあん肝と白子。趣味は美味しい飲食店めぐりと酒屋さんめぐり
学生時代に本格焼酎と出会い、「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」「焼酎=パワフルのイメージを払拭したい」想いが強くなる。
その後独学で焼酎の勉強を始める。2021年3月に焼酎唎酒師を取得。
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